2023年12月27日、韓国の人気俳優「イ・ソンギュン」が、自動車の中で意識がない状態で見つかり、のちに死亡が確認された。
また、遺書のようなメモが残されており、自殺であったとして捜査が進められています。
イ・ソンギュンは、2023年10月から、麻薬の容疑者として警察の捜査を受けており、その過度のストレスによるものであると推測されています。
近年、韓国では若者による、薬物が原因とみられる事件が多発。
韓国政府も、麻薬の取り締まりを強化していた最中の事件でした。
この訃報を受けて韓国内外で、「イ・ソンギュンは韓国政府の犠牲になった!?」という声が上がっています。
今回は、韓国の人気俳優「イ・ソンギュン」を死に追いやった経緯。
そして、韓国内での「麻薬との戦争」と言われている政策について調査してみました。
イ・ソンギュンは韓国の人気俳優
まずは、イ・ソンギュンがどのような俳優であったのか、プロフィールを紹介します。
- 出生地:韓国・ソウル特別市
- 生年月日:1975年3月2日(48歳没)
- 身長:180cm
- 血液型:A型
- 家族:妻・女優「チョン・ヘンジ」、長男(2009年生)、次男(2011年生)
- 2001年 ミュージカル「ロッキーホラーショー」がデビュー作
- 2001年 ドラマ「恋人たち」(シットコム)
- 2007年 ドラマ「コーヒープリンス1号店」
- 2014年 映画「最後まで行く」
- 2019年 映画「パラサイト 半地下の家族」※アカデミー作品賞とカンヌ最高賞のW受賞作品
日本も含め世界中で話題になった「パラサイト 半地下の家族」で、IT企業社長で大富豪の「パク・ドンイク」を演じた俳優としてご存知の方も多いと思います。
イ・ソンギュンの疑惑から立件の経緯とは?
ことの発端は、2023年10月19日の地方新聞による、イ・ソンギュンへの麻薬疑惑記事でした。
記事では、「L氏」としてイニシャルで記載されていましたが、すぐにSNSで「イ・ソンギュンではないか!」とのコメントであふれかえりました。
その後、メディアでも「イ・ソンギュンを含む10人を内定中」という報道がされ、麻薬事件に敏感だった国民の関心をひいていきます。
そして、10月23日警察はイ・ソンギュンを刑事事件として立件に至り、10月28日に本人が出頭。
出頭時には報道陣に謝罪し、涙ぐむシーンもありました。
この時行った簡易検査と毛髪検査では、いずれも「陰性」でした。
物証の確保に失敗した警察は、再度出頭を命じ、体毛(足の毛)の検査を行いましたが、こちらでも「陰性」の判定でした。
12月23日に、警察に出頭したイ・ソンギュンは20時間にわたる拘束と強い尋問を受けました。
取り調べでは、「だまされた」「知らなかった」と容疑を否認し続けたそうです。
そして12月27日、自家用車のなかで意識がない状態で発見され、のちに死亡が確認されました。
助手席には、「着火炭」が発見されていることから、一酸化炭素中毒による自殺と思われます。
2度の陰性判定にも関わらず、執拗に尋問をし続けた経緯が分かります。
今後、警察の正当性が問われることになる可能性があります。
韓国、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の掲げる「麻薬との戦争」とは
韓国内では、若者を中心に麻薬の蔓延が深刻な問題になっています。
ソウル市内では、学習塾が集中する地区で、高校生に試飲と称して麻薬入りの飲料を飲ませ、その後保護者に「通報するぞ!」と脅し、金銭を要求する事件が起きるなど、未成年を狙った犯罪が起きています。
また、政府機関による下水道の調査によると、排尿などにより下水道に流れこむ麻薬の量が広範囲で増加しているとの結果も出ています。
これを危惧した韓国政府は、検察や警察などから成る「特別捜査本部」を立ち上げ、「『麻薬との戦争』で確実な結果が出せるよう、力を尽くしてほしい」と指示しました。
今後も政府主導による麻薬の取り締まりは強化されていくでしょう。
最後に
今回は、イ・ソンギュンを死に追いやった経緯を中心に調査しました。
韓国における麻薬の蔓延と、それを抑え込もうとする政府による取り締まりの過程で起きた悲劇で、今後、真相が明らかになってでしょう。
日本に訪れる観光客の1位は韓国からの観光客です。
ただの観光客に混ざって招かれざる客もやってくる可能性は極めて高く、同様の事件が日本で起こる可能性もあります。
お隣の国の出来事として無関心ではいられないと感じた事件でした。