日頃から私達の安全を守ってくれている信号機。
青は進んでよしで赤は止まれなど、ルールは子どもから大人まで全国民が知っていると言っても過言ではないでしょう。
今回、そんな生活の一部になっている信号機について調査しました。
陸路発の信号機は鉄道用
1830年代のイギリスでは鉄道用の路線が増えることで分岐も多くなっており、安全を確保することが重要視されていました。
当時は見張り番が手合図で「進行」「注意」「危険」と合図を送っていて、これが鉄道信号の始まりといわれています。
1940年、柱にワイヤーなどで取り付けた腕木を動かし角度によって「進行」「停止」を示す、「腕木式信号機」がイギリスで発明されました。
なお、「腕木式信号機」は現在日本でも使われている路線があります。
道路用の初号機はガス式信号機だった
世界初の道路用信号機が使われたのは、1868年のロンドン。
当時は自動車ではなく馬車が主な交通手段で、馬車の交通整理のために開発されました。
馬車の数が増え、交通事故が多発したいたようです。
そんな交通事情の中、赤と青、2色のランプを備えた手動式のガス式信号機が設置されました。
しかし、翌年の1869年ガス爆発事故を起こし、操作していた警察官がひどい火傷を負い、安全上の問題があるとして撤去されてしまいました。
自動車の普及とともに開発された電気信号機
1885年に世界初のガソリン車が誕生すると、信号機も数を増やしていきます。
1900年代には量産化され、一般にも普及しだした1914年のアメリカオハイオ州に「赤」と「緑」2色の電気式信号機が設置されました。
1918年にはニューヨークに3色の電気信号機が登場。
黄色が「進め」、赤が「止まれ」、緑が「右左折可」だったようです。
日本の信号機はいつから?
一方日本はというと、手動式の信号機は大正時代からありました。
自動式の交通整理信号機が登場したのは、1830年の東京、日比谷交差点でした。
ただ、当時は色による交通信号機の意味が理解できず、人々の間に浸透するまでかなり時間がかかったようです。
信号機の豆知識
自動信号機が導入された当初は法令で「緑色」と定められていたことから「やや濃い緑色」が使われていました。
それでも「青」と呼ぶのは日頃から「青野菜」や「青葉」など日本語の青の範囲の広さにあるようです。
海外ではグリーンシグナルやグリーンライトなどと呼ばれています。
なお、1974年以降に作られた信号機は、青に近い緑色になっています。
ヨコ式の信号機の場合赤が右なのは、日本は右ハンドルの車が主流なので運転手の見えやすい右側が赤色になっています。
タテ式の信号機は運転手や歩行者が、気付きやすい上側が赤色です。
日本ではヨコ式の信号機の設置台数が多いですが、それは街路樹や看板が多い市街地ではヨコ式の方が視認しやすいという理由からです。
日本で初めてヨコ式の信号機が設置されたのは京都で、古都の景観を重視するためにヨコ式になったようです。
降雪量の多い地方では、積雪による故障や雪の重みで倒れることを防ぐためにタテ式が主流です。
なお、世界では圧倒的にタテ式が多いです。
信号機まとめ
今回は信号機について調査してみました。
ルールも浸透し、街の景色の一部になっている信号機。
自動車が人々の生活に欠かせないようになれば自動車用のものが、また景観を損ねないように地域に合わせて進化したもの、故障などにより人々の安全を脅かさないように設置されたもの、時代や人々の生活に合わせて開発され進化してきました。
旅先やドライブなどで、今まで見たことのない信号機を見つけたら、ちょっとだけ調査してみてください。
新たな楽しい発見があるかもしれません。