街で… 特に小中学校周辺や繁華街などでドライバーへの注意喚起として設置されている飛び出し坊や。
全国各地で設置されているのですが、車の運転中に見かけはするけど、景色に一部として気に留めない方がほとんどだと思います。
そんな景色の一部となっている、
飛び出し坊やの出生秘話や全国展開に至った経緯、そして現在は?
について調査しました。
飛び出し坊やの誕生は高度経済成長期。交通戦争真っただ中!
今から50年以上前の昭和30年から昭和40年。
日本の経済はうなぎ上りで成長し、同時に交通事故も増加、特に児童の飛び出しによる交通事故が社会問題となり、その対策が急務となりました。
当時、児童らが横断歩道を横断する際に使用する横断旗を入れておくための「横断旗人形」は存在していました。
ただ、製作に時間とコストがかかり不経済な代物でした。
各自治体が対策を練るなか、滋賀県八日市市(現・東近江市)の社会福祉協議会が地元の看板業者「久田工芸」に飛び出し注意をうながす啓発看板を発注。
コストを抑え、かつインパクトのある看板を製作してほしいという依頼内容だったようです。
全国初の飛び出し坊や!女の子もセットでお披露目。
依頼を受けた久田工芸は、視察と検証を重ね、1973年(昭和48年)6月。
「坊や」と「女の子」の合わせて11体の飛び出し人形を完成させました。
その後、市内の交通量の多い交差点などに設置されることになりました。
飛び出し坊や、滋賀県から全国へ勢力拡大!
滋賀県八日市市生まれの飛び出し人形。
ユニークな風貌とインパクト、そしてコスト面から滋賀県全域で設置され、さらには京都府、福井県、岐阜県、三重県など近隣県へ広がっていき、今では日本各地でその姿と見かけるようになりました。
名前も「飛び出し坊や」とか「とび太くん」、「飛び出し小僧」などといった愛称で呼ばれていたりします。
「飛び出し坊や」ファンが愛情をこめて作ったご当地飛び出し人形や人気アニメにちなんだ飛び出し人形なんかも作られ、存在感を増している地域もあります。
また、飛び出し坊やイベントや人形・ガチャなどグッズ販売、書籍が販売されるなどコアなファンを取り込んでいる様子もうかがえます。
飛び出し坊やも高齢化!?
飛び出し人形と言えば、子どもの飛び出し注意を促す注意看板でした。
近年は老朽化により撤去が進む地域や、少子高齢化で「飛び出しおじいさん・おばあさん人形」に押されている地域もあり、設置数は減ってきているようです。
さらに自動車の高性能化により、これからは交通事故自体が減っていくことでしょう。
元々は交通事故から子どもの命を守るという重大な使命を与えられて生まれてきた飛び出し人形たち、交通事故が減って任務を遂行できたことを喜んでいるでしょう。
まとめ
今回は、飛び出し人形(飛び出し注意看板)を調査しました。
滋賀で生まれた11体の飛び出し坊やと、飛び出し女の子飛び出し看板、見た目のインパクトと交通事情の移り変わりとともに全国に勢力を拡大しました。
また、時代の移り変わりとともに、「少年・少女」から「おじいさん・おばあさん」にその容姿を変えていっています。
これからも「交通事故ゼロ社会の実現」を目指し、飛び出し人形たちは任務を遂行していくことでしょう。
街角で今にも道路に飛び出しそうな飛び出し人形を見かけたら、「今日もご苦労様です。交通ルールはしっかり守ります」と心の中で声をかけてみてはいかでしょうか?