【企業分析】回転すし スシローを運営「㈱FOOD&LIFE COMPANIES」(3563)

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1皿100円(税抜)「安くておいしいお寿司がおなかいっぱいたべれる!」がうたい文句だった回転すし。

2020年以降、コロナウイルス感染症やロシアとウクライナの戦争などの世界情勢不安による原材料高騰問題など、飲食業界は苦境に立たされ続けています。

これからは安くておいしいお寿司が食べれなくなるかもしれません。

今回は、「回転すし業界のリーダー企業の分析」とともに「回転すしの未来」について調べてみました。

目次

売上高2,813億円、総店舗1,083店舗、従業員6,088名、年間来客者 約1億6000万人(2022年9月期)

国内No.1の回転すし店「スシロー」を中心にグループ展開する「FOOD&LIFE COMPANIES」(以下F&LC)。

2020年に突如発生した新型コロナウイルス感染症。
2021年に始まったロシアとウクライナの戦争によるエネルギーやその他原材料高の高騰。
飲食業界を取り巻く環境はかなり厳しく、先行きも不安定です。

年別業績推移:コロナ禍も通期黒字で乗り越える!

前述のとおり、コロナウイルス感染症による、休業や時短営業。
戦争を発端とする、原材料高の高騰による売り上げ利益の圧迫。
飲食業界全体を取り巻く環境はかなり厳しい。

そのような状況の2020年度以降、利益こそ前年割れした年度はあるが、売上高は右肩上がりで推移。
利益は年度別でばらつきはあるが、通期業績は黒字でもちこたえた。

四半期別業績推移:信用回復が課題の2023年9月期の進捗は順調に推移!

⚪︎ 2022年9月期
コロナ禍の影響が残るなか、原材料価格の高騰により、日を追うごとにじわじわと利益を圧迫

さらに2022年6月から8月にかけて、信用を失う出来事が次々と起こりました
マグロの偽装事件(メバチマグロを使っていると言いながら、原価の安いキハダマグロを使っていた)
ウニ・カニキャンペーンの売り切れ事件(十分な在庫の確保がされていないにも関わらずキャンペーンを続行していた)
生ビールキャンペーンフライング事件(キャンペーン本番開始前にポスターを貼り出した店舗で注文した客が、キャンペーン開始前を理由に割引きされなかった)
こども3皿無料キャンペーン販売休止事件(無料対象の商品が子供があまり好まない光物ばかりだった)

原材料価格の高騰と使用失墜による来客数減少が重なり、7月~9月期(4Q)では、ついに利益が赤字となる。

⚪︎ 2023年度9月期(1Q)
2022年10月から原材料価格高騰の対策として、販売価格改定とコスト見直しに着手。
同時に信用回復に向けた取り組みを行う四半期となった。

⚪︎ 2023年9月期 (2Q)
コロナ禍から抜け出しつつあり、信用の回復が試される第2四半期。
前年同期比超えをねらうも、2023年1月にSNSで迷惑動画が拡散されたことで来客数が減少。
前年同期を超えることはできなかった。

⚪︎ 2023年9月期(3Q)
全店舗で湯呑の消毒、しょうゆボトルの入れ替えを実施、信用回復に努める

また、本マグロの大トロ、中トロ、赤みを一皿で味わえる「三貫盛祭!」や30種類以上のサーモン商品を提供する「サーモン祭り」などを開催。
このキャンペーンにより遠のいた客足が回復。
前年同期比より、利益を伸ばす。

⚪︎ 2023年9月期(4Q)
今年度の集大成の第4四半期。
前年度はここで不祥事を起こして大コケし、赤字へ転落。
今年度は、売上高前期比で、7月は106.9%増、8月は116.9%増、9月は111.9%増と3ヶ月連続で上回っている

2023年度通期では、売上高・利益、ともに会社予想を上回ってくるかに注目したいです。
上回ってくれば、信用の回復もできたと言えるでしょう。

事業別業績(2022年9月期):国内は停滞、海外は増収・増益

《国内スシロー》

子会社である「株式会社あきんどスシロー」が国内で回転すし店「スシロー」を展開している。
・626店舗(前期比 +28)
・売上高 前期比 +2.3%

《海外スシロー》

韓国、台湾、香港、シンガポール、タイ、中国大陸、の子会社が海外で回転すし店「スシロー」を展開している。
・計87店舗(前期比 +28)
・売上高 前期比 +125%

《京樽事業》

子会社の「株式会社京樽」がテイクアウト寿司専門店「京樽」および、寿司職人が寿司を提供する「回転寿司みさき」などを展開している。
・京樽 157店舗(前期比 +3)、回転寿司みさき 84店舗(前期比 -1)
・売上高 前期比 +131%

《その他》

子会社の「FOOD&LIFE INNOVATIONS」が寿司居酒屋の「鮨・酒・肴 杉玉」を展開している。
・杉玉 67店舗(前期比 +28)
・売上高 前期比 +168%

財務:減少し続ける自己資本比率

2020年9月度以降は自己資本比率が年々減少しています。
コロナ禍や原材料高騰のダブルパンチで、利益を圧迫するなか、強気の店舗拡大で負債が膨らんだことが原因です。
有利子負債倍率が増加していることからも負債増加が読み取れます。
ちなみに、2019年9月期は自己資本比率34.7%でした。

フリーCFは、プラスなので自由に使えるお金を残せています。

営業CFが通期にわたり黒字で、本業で儲け(現金)を生み出せてます。

投資CFは、強気出店を続けているのでマイナスですが、成長による投資なので問題はありません。

財務CFは、社債を発行したか借入金により、現金が増えています。
財務諸表も「社債及び借入金」が、前期より300億円ほど増加していました。

解説:キャシュフローとは?

2023年9月度以降は、売上・利益を伸ばし、キャシュフローを原資に借金を返済しながら、自己資本比率を30%以上に回復させる。
企業の成長にとっては当たり前のことを、難しい環境のなかで達成させることが求められるでしょう。

会社概要(2022年9月)

⚪︎ 設立:2015年3月(創業 1984年)

⚪︎ 上場:2017年3月(東証プライム市場)

⚪︎ 資本金:100百万円

⚪︎ ROE:5.7%

⚪︎ 従業員数:連結6088名 単体 236名 (平均年齢 43.2歳)

⚪︎ 平均年収:865万円(単体平均)

⚪︎ 競合他社:くら寿司、カッパクリエイト(かっぱ寿司)

事業内容
「すしを通して人々の暮らしを豊かにする」を経営理念に、「うまさ」にこだわり、セントラルキッチンを経由しない店内調理を実施。
直営方式で回転すし店を国内及び海外で展開する。

経営計画:あらたな事業展開と新規出店を図る

中期経営計画(2024年9月期まで)

・連結売上高:420,000百万円(4,200億円)
・連結営業利益:33,000(330億円)

国内事業計画

  • 郊外のロードサイド中心から出店余地の大きい都市部への出店を本格化する。
  • 既存店戦略では、地域特性に応じたサービスやキャンペーン、オリジナル商品の提供。
    また、カフェ利用(詳しくはスシローカフェ部へ)など、利用シーンを拡大していくことで、幅広い客層の取り込みと来客数の増加に取り組む。
  • 改めて創業以来こだわる「うまさ」を見つめ直し、店内調理のノウハウを蓄積した従業員を育成し、高品質で安全・安心な商品の提供に取り組むとともに、競合との差別化を図る。
  • 持ち帰りすしと回転寿司を運営する「京樽」事業の拡大、寿司居酒屋「杉玉」店舗の新規出店を積極的に行い、事業拡大を図る。

海外事業計画

  • 既存出店している国や地域で、新規出店を積極的に継続していく。
  • 市場規模や成長性のある、東アジア、東南アジア、北米に対しても、事業拡大の機会を積極的に図っていく。
  • 寿司居酒屋「杉玉」を海外展開していく。
    寿司だけでなく日本酒を日本の代表的なブランドとして海外へ広げていく。

また、全体的な計画として。
さまざまなコスト上昇による利益率圧迫の対策として、自動化や賃金の最適化による人件費の削減。原材料価格の高騰には、物流コストや商品価格の見直し。
が計画されている。

自社の強み

  • 回転すし業界No.1の知名度と販売力。
  • 「うまさ」にこだわり、鮮度と旨みを生かした店内調理を実施。
  • 回転すし総合管理システムによる独自の商品管理体制。
    とは?→すし皿にICチップをとりつけ、まぐろの場合は350m回ったら自動廃棄などの商品管理や鮮度管理。また、売れ筋状況の把握などを行うIT技術システム。
  • すしを積極的な事業展開。
  • 飲食業界の中では高収入。平均約450万円(20~40代)。

自社の弱み

  • 競合がひしめきあう。競争の激しい飲食業界である。
  • 市場動向の影響(為替、インフレ)をダイレクトに受ける。
  • 人材を確保し続けないと、企業成長が見込めない。
  • 食材の確保と鮮度管理が最重要な、魚介類中心の生鮮食材を扱う業態である。
  • 新規事業拡大するための投資による負債が増加傾向である。

事業拡大の機会

  • 東南アジアなどの新興国や途上国の著しい経済成長による消費の拡大。
  • 原材料の高騰が収束した後の高収益化。
  • 安全・安心、ヘルシーで健康的な日本食の世界的ブーム。
  • 回転すしという業態やシステム(テーブルでスマホやタッチパネルで注文。品物が回転レーンでテーブルまで運ばれてくる)を活用した、新規事業の展開。
    回転中華・回転居酒屋・回転スイーツ・回転定食屋・回転焼肉店など。

事業拡大の脅威

  • 食中毒の発生や不適切食材の混入による客数減少や信用失墜。
  • 世界的な水産物の需要拡大による、水産資源の減少および価格の上昇。
  • SNSなどインターネット上での悪質な風評の拡散による信用失墜の被害と損失。
  • 働き手不足による、新規出店や新キャンペーン実施などの新規事業計画の変更。

今後の事業展開シナリオとは?

《ポジティブシナリオ》

来客数や顧客満足度、信用を下げずに、商品の価格転嫁が成功。
次第に原材料の高騰が落ち着き、高収益化と安定的な利益の確保を実現する。

海外事業では、新規出店を加速。
日本食ブームと新興国の成長に相乗効果で売上高と店舗数伸ばしていく。

さらに新規事業に着手。
新たなステージへと乗り出していく。

《ネガティブシナリオ》

原材料価格が高止まりと、水産資源価格の上昇により、利益が日々悪化し続ける。

価格転嫁を試みるも、価格の安い競合他社へ顧客が流れ、来客数と売上高が激減する。

苦肉の策で企画したキャンペーンも失敗、SNSを通して悪評が出回り、顧客離れが加速するる。

業績不振により賃金に転換できず、人材が流出。
新規出店に人材が確保できないために、新規事業の変更が発生し業績がさらに悪化していく。

それでも強気姿勢を崩さずにに新出店を強行し、負債価格が増加。

キャッシュフローも悪化し現金が不足。社債の償還や借入金の返済できなくなり、債務不履行に陥る。

今回の調査のまとめ

今回は、回転すし店「スシロー」を国内外にチェーン展開する「FOOD&LIFE COMPANIES」を調査しました。

  • 業績面では2020年以降、新型コロナウイルス感染症や原材料価格の高騰と円安の影響を受け、利益は落ち込んでしまうが、売上高は右肩上がりの成長を続け、営業力は国内No.1の底力を見せる。
    原材料高が落ち着いた後の業績に期待したい。
  • 財務面では、2020年以降の負債の膨らみによる自己資本比率の低下が気になるが、営業力があるので、利益率向上を果たすしたのちは少しづつ回復してくるので問題はないだろう。
  • 今後の経営計画も、新店舗の展開だけでなく、本業の「すし」を生かした新たな事業展開を国内外で進行する予定で、先を見据えた姿勢に期待ができる。

2020年以降、コロナウイルス感染症、戦争を起因とするエネルギーや原材料価格の高騰。
そして中東のイスラエルでも戦争が勃発するなど、不穏な空気が地球を覆っています。

また、世界的な水産物の需要増加による、水産資源の価格上昇。
地球温暖化による日本近海の漁獲内容の変化も、今後の経営に大きく影響してくることが予想されます。

「スシロー」を中心に事業展開するF&LC。
今後も続くと予想される、先行きの不透明な経済不安の中、「すし」で私たちの食欲とこころを鷲づかみにする、次の一手が楽しみです。

参考資料:FOOD&LIFE COMPANIES ホームページ

画像引用:FOOD&LIFE COMPANIES ホームページ

現在調査中。随時アップしていきます。

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