災害救助「72時間の壁」その根拠と、生存率を上げるためにすべきこと

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災害発生後、救助活動には「72時間の壁」が存在します。

「そのワードを初めて聞いた」「ワードは知っているけどなぜ72時間なの?」という方も多いと思います。

そこで、今回は・・・
  • なぜ72時間なのか?
  • 72時間と言われる根拠は?
  • 生存率を上げるためにすべきことは?

について解説いたします。

ぜひ、最後までお付き合いください。

目次

なぜ72時間なのか?

なぜ「72時間の壁」が存在するのか?

その理由は、生存率です。

下のグラフは、阪神・淡路大震災時の生存者の救出推移を表したものです。

1995年(平成7年)1月17日午前5時46分に起きた大地震で、死者数は6,400名を超える大災害です。

救出者の生存率は発生初日で74.9%、2日目で24.2%、3日目15.1%となります。

72時間が経過した4日目には、10%を割り込み5.4%に。

この生存率が10%を割り込むまでに助け出すというのが、人命救助の「72時間の壁」のというわけです。

画像引用:国土交通省 近畿地方整備局

補足:阪神・淡路大震災の時は、大規模な火災が発生した影響で2日目の生存率が極端に下がっています。

>>参考資料:国土交通省 近畿地方整備局「阪神・淡路大震災の経験に学ぶ」

72時間を超えるとどうなるのか

もし、72時間を超えた場合、人体にはどのような影響がでるのでしょうか?

生命の危機

いままで述べてきたとおり、生命が危険な状態になります。

人体は、骨や筋肉、内臓で作られていますが、体の大部分を占めるのは水分です。

成人男性で、体重の60%。
成人女性で、体重の50%。
新生児だと、体重の75%が水分でできています。

1%を失っただけで、のどの渇きを感じ。
2%でめまいや吐き気を催します。
10%を失うと筋肉が痙攣をおこし、意識を保てなくなり。
20%を失うと生命を維持できなくなる。

水分が失われるスピードも季節より変わります。
夏は発汗量も多いので速く、冬は緩やかです。

この、20%の水分を失うのに飲まず食わずで過ごして、季節にもよりますが、3日から5日程度というわけです。

後遺症リスク

後遺症のリスクについても見ていきましょう。

脳梗塞

飲まず食わずで体内の水分が減少すると、脳梗塞のリスクが生じます。

体の水分が減ることで、血液内の水分も減少します。

水分が減った血液は、濃度が上がってドロドロ状態になり、流れが悪くなるのです。

流れが悪くなった血液は、血管内で詰まりだし(とくに毛細血管)、酸素をスムーズに体中に送れなくなります。

特に酸欠による脳へのダメージは大きく、5分酸欠状態が続くと脳の一部が壊死するほど酸欠には弱い臓器です。

一度壊死した細胞の回復はほぼ不可能といわれており、後遺症として残るリスクが高い症状です。

後遺症としては、運動障害や嚥下障害など様々な運動機能の障害がのこり、ひどい場合は一生寝たきりの生活を送ることになる場合があります。

心筋梗塞

心筋梗塞も大変恐ろしい病気です。

脳梗塞とメカニズムは同じで、水分不足によりドロドロになった血液が原因で起こります。

心筋梗塞は心臓の筋肉が酸素不足により、壊死を起こします。

後遺症としては、心臓機能が低下する心不全や、うまく心臓が動かなる不整脈をおこすリスクがあります。

生存率を上げる方法とは

72時間にとらわれず、生存率を上げる方法を見ていきましょう。

水を確保する

身動きが取れなくなった時の一番重要な生存方法になります。

水分がなければ、3日~5日で命の危険があると言いました。

逆に十分な水が確保できていれば、1ヶ月以上生きられるといわれています。

室内に閉じこめられることがあるかもしれない!ことを想定して、最低でも9Lの水分を普段の生活の最小範囲内(自分の部屋など)に確保しておくことをお勧めします。

近くに置いておきたいもの
  • 9Lの飲料水(1日3Lとして3日分)
  • 少しで構わないので食糧(カロリー高めのお菓子など)
  • バッテリー(スマホ用で電池式のもの)
  • 乾電池(バッテリー用で必要分)

避難路の確保および確認

避難路を確保しておくことも重要です。

地震などでは、家具の転倒防止対策。

家具に挟まれて動けなることを防ぐだけでなく、避難時のケガを防ぐことになります。

また、避難所までの経路も家族単位で確認しておき、スムーズな避難をすることで2次災害から身を守ることに役立ちます。

デマを流さない

こちらは被災者全員を対象にしたテーマですが、非常に重要です。

災害になると必ず発生するのが、デマや犯罪行為の増加です。

犯罪行為を行うのは「もってのほか」ですが、SNSの発達によりデマ情報が増加しています。

「本当っぽいデマ」を流すことで、デマが拡散されさらなるデマを生む負の連鎖状態になります。

デマを一つ流すことで、救われる命が救われない事態が起こることを想像することが重要です。

デマは絶対流さない!

デマのX(旧ツイッター)。川永市は存在しない自治体です
Xのポリシー違反となり、収益化はできないでしょう。
アカウントの削除対象になります。

まとめ

今回は、救助活動における「72時間の壁」について調査しました。

72時間の壁は、人間が生命を維持する限界の時間です。

災害に遭った場合、自分を守るのは自分自身であることを認識し、備えることが重要です。

また、災害にあった人を利用して儲けようなどはもってのほか!
まわりまわって、損をするのは自分であるという認識が必要です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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